太陽光と可視総合光線療法①
地球上に届く太陽光は紫外線、可視線、赤外線からなりたっています。古代の人々は、この太陽光が健康維持や病気の治療に効果があることを経験的に知っていました。そして今では、これらの太陽光には10万種類にものぼる波長の異なる光線が含まれており健康維持や病気の治療に必須の働きをしていることが科学的に解明されつつあります。この太陽光の各光線の作用を利用した自然療法が、可視総合光線療法(Light Therapy)ということができます。
太陽の光の恩恵
地球は太陽光によって暖められ大気が循環し、雲がつくられ雨がもたされ、私たちの生活に最適な環境がつくられます。また、植物は太陽光によって光合成を行い酸素を供給してくれます。そして私たちは太陽が育てた植物を食べ、また植物を食べて育った動物を食べて生きているのです。
文字どおり、私たちは太陽から限りない恩恵を受けているのですが、太陽の恵みはそれだけにとどまりません。
日本では太陽光を健康維持や病気の治療と直接的に結び付けて考えることはあまりなかったようですが、西洋では古くからその効果が認識されていました。
古代エジプト人は太陽神ラーを崇拝し盛んに日光浴を行っていました。
古代ローマ人はソラリウムという日光浴場を自宅に持っていました。当時の博物学者ブリニーは「太陽は良薬である」といい痛風やリウマチ、神経痛、皮膚病などの治療に日光浴を応用したといわれています。
近代になってからは、日本でも太陽光を病気の治療に利用するようになりました。特に結核性疾患の治療に日光浴が盛んに用いられたことはよく知られています。また、乾癬などの皮膚病の治療に日光浴が有効であることも多くの人の知るところとなっています。
エジプトで発掘された石板
地上にふりそそぐ太陽光線は地上の生物たちに、その光を供給している。太陽光線は先端が、手の形となり地上に生命をもたらしている。この二つの事柄は、古代エジプト人たちの生活の象徴となっている。光の手が草花にまで伸びていることにも注目してほしい。
王が日光浴を楽しんでいる姿を描いて彫刻板